三七人参のチカラ

三七人参とは

三七人参(さんしちにんじん)は、ウコギ科の多年生植物で、中国南部や東南アジアの一部地域で自生しています。学名はPanax notoginsengで、「田七人参(でんしちにんじん)」や「田三七(でんさんしち)」と呼ばれることもあります。「三七」という名称は、主に根茎が3つの主要な部分に分かれていること、また収穫が7年目に最も効果的とされることに由来しています。

三七人参は、高麗人参と同じウコギ科に属し、見た目や栄養価が似ているため、しばしば比較されます。しかし、三七人参はその独特の化学成分により、異なる健康効果を持ちます。特に三七サポニンやフラボノイドなどが含まれ、これらの成分が三七人参の健康効果を支える主な要因です。

三七人参の歴史

三七人参の歴史は非常に古く、数千年前にさかのぼります。中国の漢方医学では、三七人参は「金不換(きんふかん)」という別名で呼ばれ、その価値の高さを物語っています。この名前は、「金をもってしても換えがたい」という意味を持ち、三七人参が非常に貴重であることを示しています。

三七人参が最初に記録されたのは、中国の明代(1368年〜1644年)に書かれた『本草綱目』という薬草の百科事典です。この書物では、三七人参が止血や炎症の鎮静、痛みの軽減に効果があるとされ、特に戦場での負傷者の治療に使われていたことが記されています。その後、三七人参は徐々に広まり、東アジア全域で利用されるようになりました。

現代においても、三七人参は漢方薬やサプリメントとして広く使用されています。特に中国、韓国、日本などのアジア諸国では、その伝統的な使用法が今でも根強く受け継がれており、さまざまな形で利用されています。

栄養成分

ジンセンノサイド
サポニン
アルギニン

フラボノイド
亜鉛
カルシウム
カリウム

帰経 

肝、胃

性味

温、甘、微苦

三七人参の効果

三七人参は、その多様な健康効果で知られています。以下は、三七人参がもたらすとされる主な効果です。

止血作用

三七人参は、古来より止血効果があるとされてきました。三七サポニンという成分が、血液凝固を促進することで出血を止める効果があります。事実外傷に三七人参の粉を直接振りかけてみると、止血効果がありました。このような効果から、中国では古来より外傷や内出血の治療に使用されてきました。

抗炎症作用

三七人参には、炎症を抑える効果もあります。フラボノイドなどの抗酸化物質が炎症を引き起こす酵素を抑制し、炎症反応を軽減すると考えられています。これにより、関節炎や他の炎症性疾患の症状緩和が期待されます。

免疫強化

三七人参は、免疫系を強化する効果があるとされています。特に三七サポニンが、免疫細胞の活性化を促進し、体内の病原体に対する抵抗力を高める働きがあります。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に役立つと考えられています。

心血管系の健康

三七人参は、心血管系の健康をサポートする効果もあります。血液の流れを改善し、血栓の形成を防ぐことで、心臓病や脳卒中のリスクを低減する助けになります。また、コレステロールや血圧の調整にも寄与すると言われています。

ストレス緩和と疲労回復

三七人参は、アダプトゲンと呼ばれるストレス耐性を高める成分が含まれており、身体のストレス反応を調整します。また、疲労回復やエネルギーレベルの向上にも効果があるとされ、日常生活やスポーツ活動におけるパフォーマンス向上に役立つ可能性があります。

抗酸化作用、免疫力向上、血流改善、肝機能向上、抗ストレス、抗疲労などの優れた効果があり、その豊かな歴史と多様な健康効果から、古くから東アジアで珍重されてきた薬草です。現代においても、その伝統的な知識と科学的な研究に基づき、多くの人々が三七人参の恩恵を享受しています。

そして日本においては、漢方薬ではなく食品として分類されているため、店舗やオンラインショップなどで手軽に手に入れることが出来る点も魅力です。

飲み方

このように万能に見える三七人参ですが、唯一の欠点はその味です。苦みがあり、そのままでは美味しいとは言えない味です。

効果を感じるためには1日1~3gを目安に接種するのが良いですが、1g程度なら料理に入れてしまえばほとんど味を感じることはないでしょう。
私は朝いちばん、粉薬のようにして一杯の白湯で飲んでいます。 空っぽの意に、体温と変わらない温度の水分と一緒に身体に取り込むと、吸収が良いので試してみて下さい。

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